› 浦添大公園友の会 › 2015年01月
さくらの花を楽しむ人々と開花の状況
今日から明日まで名護城公園でさくら祭りが行われている。
朝早くから、来園者が多い。さくらを撮影していたら、声をかけてきた熟年夫婦。沖縄はあったかい、さくらも咲いている。北海道は雪ばっかりで寒い。ぜんぜん違う。さくらは5月にしか咲かない、のだという。毎年来てください。と笑顔で返事した。
天上展望台から「さくらの園」を通り、南口まで降りながら各所撮影をした。一番良かったのは「さくらの園」だった。南口はかなり花が少ない。全体的に咲き始めているので、7部咲きといったところか。祭りは明日までだか、花は来週まで、十分楽しめる。とにかく本数が多いので、いろいろな箇所で楽しめると思う。
露地に落ちていたホウライカガミの種、白い毛もついていた
ホウライカガミParsonsia laevigata
キョウチクトウ科 琉球列島各島に分布
26日、浦添大公園内に生育しているホウライカガミの育ち具合を点検しに行ったら、周辺の露地に飛散した種子が落ちていた。
ホウライガミは初夏から秋にかけて開花し、夏を中心に結実。晩秋に完熟し裂果、種子が飛散し始める。浦添大公園で、もっとも多いのは年が明けてからで、生育している周辺の路地に白い毛とともに細長い種が落ちていることが多い。毛は風に運ばれる役目をしているので、風が強いとかなり遠くまで行くようだ。
これまで、飛散した種からの発芽は見たことはない。ただ、発芽の機会に恵まれたのなら、園内各地で苗が見られるのも遠くはないのだと思う。
\あたり一面コスモスだらけで華やかだ
コスモス Cosmos bipinnatus
キク科 メキシコ原産
12月25日に紹介した内間御殿前のコスモスは、満開し華やかな景色に変貌していた。
数台の駐車スペースは満車。各自思い思いに観賞し、記念撮影をする方もいるし、地元の方々とゆんたくするものまでさまざま。1台の車が帰ると、次に1台と新たな来訪者がひっきりなしだった。
しばらくコスモスを眺めていた。南風が吹いて、さわやかな暖かさを運んできているような感じがした。春だな~。近くの方々、見に行った方がいいヨ!
橙色の花弁だったアキノノゲシ
アキノノゲシLactuca indica
方言名 ウサジヌミミ、インディーラ、ウーンジャナ、ナガリール
キク科 琉球列島各島分布
え、これは初めてかも、アキノノゲシの花弁が橙色だ。
近くに咲いていた花と見比べたが、他はみんな黄色だった。
先日、浦添大公園で咲いている花はどんなものがあるのか探検していた時のことだ。リュウキュウコスミレは満開、いたる所に咲いていた。ヒカンザクラもいい感じ。タブノキが開花し、シロダモ、ハゼノキの新緑も目立ち始めてきた。
さて、アキノノゲシの橙色の花。他にもないか探したが、この1株だけだった。はたして普通にあるのか、他にもあるが見落としなのだろうか。探索は続く。
咲きはじめでういういしい花を観賞することができる
ヒカンザクラPrunus campanulata
別名 カンヒザクラ 方言名 サクラ
英名 Taiwan cherry 中国名 鐘花桜
バラ科 台湾、中国原産
浦添大公園に育つヒカンザクラの開花が3部咲きになってきた。日々、開花し花数は多くなってきた。
この様子だと、例年通り2月の上旬に満開が来そうだ。見ごろは始まっていて、2月中旬まで観賞できるはず。花が付かない若い苗は、新芽が伸びて若葉がつき始めた。これもまたサクラなので、春の息吹を感じるのに最適だ。
花見をしながらのウォーキングも増えてきた。ヒカンザクラの開花が始まったので浦添大公園の春は毎日、早足で過ぎていく。
公園内で今年初めて見たアマミウラナミシジミ
アマミウラナミシジミkurava kurava septentrionalis
シジミチョウ科 奄美,喜界,沖縄,伊平屋,慶留間,久米,
宮古,多良,石垣,竹富,小浜,西表,
鳩間,波照間,与那国島に分布する
今日、浦添大公園でアマミウラナミシジミの個体を今年初めて見て撮影した。
かつて、公園内にはたくさんの本種が見られたが、十数年ほど前から始まった浦添城跡の発掘や整備で木々が切られ、森がなくなってからというもの、激減した。そのせいか、去年は11月に2個体しか観察できなかった。もしかしたら、公園内から絶滅するのではと危惧している。
絶滅したのではという思いがあったので、今年初めての成虫の観察は生息にわずかな望みができた。幼虫の食べるモクタチバナ、シマイズセンリョウを増やさなければいけないのかなー、と思っている。
ニッケイのお茶は大人気でおかわりする方も多かった
ニッケイ Cinnamomum sieboldii
方言名 カラキ、カラケ、ハラギ
英名 cinnamon
クスノキ科 徳之島、沖縄島、久米島、石垣島に分布
ニッケイのお茶は香りがよく美味しいと評判だった。何回もおかわりする方もいた。
採取した枝から葉を取り、平たい竹ザルに広げて干した。10日ほどで乾き、使えるようになった。やかんにニッケイの葉を入れて、煮だす。沸騰すると、ニッキの香りが立ち込めて、気分がいい。アツアツもいいが、冷やして飲むのも美味い。
新芽の出る前のこの時期、充実した葉を採取してお茶を作る。お茶を楽しみながら山散策を思い出すのも時間の過ごし方の一つ。
開花したカワラナデシコについて解説を聞く参加者たち
今日の午後開催された有用植物研究会の現地研修に参加した。
なんと、育種では沖縄でも唯一のあん里ガーデン。安里さんが平成4年にガーデンを開催してから、これまでに育種した品種を紹介し、苦労や良かったこと、楽しかったこと、取り組む理由について丁寧に解説してくれた。参加者たちはこれまでにも講座や実習を積み重ねてきたので、質問もマニアックなものだった。
カワラナデシコ、リュウキュウベンケイの交配種、オキザリスを生産し販売。これからはクワンソー(アキノワスレグサ)の仲間ヘメロカリスの育種にも挑戦していくと言う。終わりのない育種の世界。素晴らしい現地研修だった。2月は講座、3月は1泊2日の研修が組まれている。
ホウビカンジュのベーコン炒め、美味い
今が旬のホウビカンジュの新芽
ホウビカンジュNephrolepis biserrata
シノブ科 沖縄、台湾、熱帯アジア,豪州に分布
今や、沖縄山菜にニューフェイスで人気急上昇中。で、今が旬。
新芽を摘み、水洗いして茹でると鮮やかな緑色。好みのドレッシングで食べてもいいし、炒め物やその他の具にしても彩がいい。食感が素晴らしい。エグミもないので子供でも食べられる。
作り方
フライパンに油を入れ、ベーコンを炒める。ベーコンがカリッとなったらホウビカンジュを入れ柔らかくなるまで炒める。醤油とダシで味を調える。コツは炒めすぎないこと。ホウビカンジュが黒っぽくなる。
春の食べる野草の定番ノビル
ノビルのヒラヤーチー
ノビルAllium grayi
英名 wild onion
ユリ科 北海道~九州、琉球列島、朝鮮、中国、台湾に分布
涼しい時期の食べる野草の定番はノビルだ。葉はジューシー、ヒラヤーチー、汁の具、球根は味噌漬けにして食べる。散歩しながら、抜き取り球根を食べるのも楽しい。かなり辛いが、元気がでる。
作り方
ノビルは1.5㎝くらいの長さに切る。卵1個を溶き小麦粉と水を加え、薄く生地を仕上げ、ノビルを加える。フライパンに油をいれ生地を薄くひき、焦げ目がつく程度に両面を焼く。ごま油で作ると香ばしく、美味い。ラードだったら、超美味。
アキノノゲシのジューシー
新葉を使うと柔らかくて食べやすい
アキノノゲシLactuca indica
方言名 ウサジヌミミ、インディーラ、ウーンジャナ、ナガリール
キク科 琉球列島各島分布
寒い日はジューシーが美味しい。参加者は園内を観察でかなり歩いたので、胃袋に染み渡るうまさだったに違いない。おかわりもいた。
作り方
沸騰したお湯にご飯を入れ、煮立ったら細かくきざんだアキノノゲシを入れる。塩こうじを味見しながら入れ好みの味に仕上げる。塩こうじの代わりに味噌、ダシでもよい。とてもかんたん。アキノノゲシは新葉を使うと柔らかくて食べやすい。
ショウロウクサギの和え物
春の新芽が柔らかくて食べやすい
ショウロウクサギClerodendrum trichotomum esculentum
方言名 クサジナ、クサギナ
クマツヅラ科 各島に分布
クサギ、アマクサギ、ショウロウクサギはヤギの餌に最適。でも、春の新芽は柔らかくて茹でると、独特の臭みが消えて、野菜の代わりになる。
沸騰したお湯にひとつまみの塩を入れ、ショウロウクサギの新芽を入れサッとゆで、冷水にとり適当な大きさに切り水けをきる。ゴマ和えの素(市販)で和える。または、少量の醤油とかつおぶしで和えてもよい。
揚げたてのゴウシュウタニワタリのてんぷら
ゴウシュウタニワタリAsplenium australasicum
チャセンシダ科 沖縄、渡嘉敷、 座間味 、粟国 、硫黄鳥島
久米 、大東(ラサ島) 、石垣 、西表 、与那国 、魚釣
17日の午後、浦添大公園で開催した野草の観察会と試食会の料理を紹介する。
最も好評だったのが、ゴウシュウタニワタリのてんぷらだった。山のようにあった、揚げたてのてんぷらは、あっという間に参加者の胃袋に収まった。
作り方
ゴウシュウタニワタリの新芽はあらかじめ茹でておく。茹で時間は5分程度。
衣を薄く付け、サッと揚げる。衣はあらかじめ、だしを少し入れておくと、美味い。
ドングリそっくりのハマビワの実
ハマビワLitsea japonica (Thunb.) Juss.
クスノキ科 沖縄各島に分布
先日、浦添大公園を散策していたらドングリそっくりのハマビワの実が付いていた。
ちょうど今の時期は、アマミアラカシのドングリが落ちていて拾える。少し遅いが、マテバシイやシイの実も拾える。ただ、ハマビワの実はそっくりだがドングリのような硬い実にはならないのは実におしい。公園内で、ドングリそっくりさん実を探してみては面白いかも、とのアイデアが浮かんだ。
そんな妄想をしながら、ハマビワの実のついている側を後にした。
美味しそうに黒く熟していたハマサルトリイバラ
ハマサルトリイバラSmilax sebeana
ユリ科 沖縄各島に分布
先日、浦添大公園内を探検していたら、美味しそうに黒くなっていたハマサルトリイバラの実を見つけた。
ハマサルトリイバラをはじめ、この仲間の実の熟すのを見るのは難しいようだ。個人的な感想だが、花や青い実は見つかる。しかし、黒くあるいは赤く熟すなどはなかなか見つからない。これも予想だが、冬鳥としてやってきた野鳥たちが食べてしまうのかもしれない。
そんなことを思いながら、実を撮影した。その後他の山野で花芽をつけたサツマサンキライを見つけた。熟すのをみたい。
赤紫色のキクが満開、来園者に喜ばれている
12月30日に紹介した赤紫色のキクの花が、満開してきた。来園者にも好評で、子供たちを入れて携帯で撮影する方も見かける。
咲き始めてから、2週間ほどで見ごろを迎えている。どのくらいの観賞期間が続くかはまだ不明。ただ、鉢植えで残り半分が蕾をたくさん持っているので、引き続きの開花は見込める。
願いなのだが、2月のてだこウォークまで咲き続けたら、嬉しい。ヒカンザクラもようやく開花を始めたので、楽しみが増えてきている。
採取したホウビカンジュの新芽、何の料理になるのだろう
採取したゴウシュウタニワタリの新芽、料理は参加者だけが楽しめる
今、17日開催する浦添大公園の早春の観察会と試食会の準備で忙しくしている。特に料理に使う山野草の調達がたいへんだ。
まず、冷蔵庫でもちがいいゴウシュウタニワタリ、ホウビカンジュから採取をはじめ、今日あたりはシマグワ、ノビル、ニシヨモギ、ショウロウクサギ、アキノノゲシの採取をした。明日の午後はナスタチュームの花と葉、シロノセンダングサを採取予定。金曜日にはすべての仕込みができる予定。
幸い、土曜日は曇りから晴れる予想。楽しい観察会と試食会ができるはず。とにかく張り切っている。そして、日曜日は名護城公園でさくら観察会だ。楽しい日々が続く。
イヌビワの葉柄にさがっていたイシガケチョウの蛹
イシガケチョウCyrestis thyodamas mabella
タテハチョウ科
沖縄島,久米島,宮古島,石垣島,竹富島,黒島,
小浜島,新城島,西表島,鳩間島,波照間島,与那国島;
本州,淡路島,四国,九州,対馬,種子島に分布
12月22日、中城の森でイヌビワにいたイシガケチョウの幼虫は、1月4日に終令になっていたのを確認したら、12日に蛹になっていた。
イシガケチョウの発生は年中無休だ。どの時期にも成虫や幼虫が見つかる。ただ、幼虫の食べるクワ科イチジク属の植物たちが常に新芽・新葉をつけてないので、いつもたくさんいるわけではない。観察していると初夏から夏にかけて、秋遅くに数が大変多いことが分かっている。
蝶が少なくなるこの時期、イシガケチョウが目立つので、つい夢中になってしまうようだ。
上等な葉が採取されたサンニン
ゲットウAlpinia zerumbet
方言名 サンニン
英名 Shellflower,Shell Ginger 台湾名 月桃
ショウガ科 沖縄、台湾原産
寒い日々が続く今日この頃、浦添大公園に育つ上等のゲットウの葉が採取されているのに気付いた。あ、そうか旧暦の12月8日はムーチーだからか。新暦だと1月27日にあたる。
毎年そうなのだが、公園は住宅地に接しているためゲットウの葉は1年に一度のお役目のようだ。気が早い方々は気温が下がると、きっとムーチーが食べたくなくなるのだろう。さらに、きれいなゲットウの葉がなくなる前に採取してしまおうと言うことかもしれない。
大好きなムーチーがもうすぐだ。食べすぎると太ると言われたが。今年こそ、思いっきり食べたい。
球根が太るまで採取は待つことにした
ノビルAllium grayi
英名 wild onion
ユリ科 北海道~九州、琉球列島、朝鮮、中国、台湾に分布
昨日、浦添大公園内でノビルを見つけた。これは大事にしなければならないと思った。もちろん、食べるため。
小さいころは良く食べたのに、最近はめったに口にしない。野菜が身近に豊富にあるためだ。気温の低い今の時期は無料野菜が豊富なので山野草はめったに食卓に上らない。実は大好きで、この時期休みだとひそかにわずかだが食べていた。
見つけたこのノビル、球根が太るまでしばらく待つことにした。ただ、17日開催される山野草の試食会にはヒラヤーチーに葉を入れることをもくろんでいる。あ、つばが出てきた。