› 浦添大公園友の会 › 2014年12月
花や莢が懐かしく思ったシカクマメ
シカクマメPsophocarpus tetragonolobus
方言名 ハワイマメ
英名 Four-angled Bean,Princess Pea,Manila Bean,Winged Bean
マメ科 熱帯アジア原産
30日、中城村を散策した時のこと。畑の脇に植えられたシカクマメの花が咲いていて、少し懐かしかった。
というのも、十数年にわたって種をまき、苗を育てて、夏の終わりから12月にかけて、かなりの量の莢を食べてきた。ところが、一昨年から急に栽培しなくなり、食卓に上ることもなくなった。そのため、花や莢を見たら懐かしくなった次第。どの家でもマイブームの野菜はいつか飽きられるのだ。
種を調達して、春になったらまいて、苗を作ってみようと考えた。再び棚で作ってくれるはず。
赤紫色の花弁をようやく開いてくれた栽培してきたキク
12月上旬に目立ち始めたキクが、ようやく赤紫色の花を咲かせてくれた。
民家や花壇で咲いているのに、公園で栽培しているキクは開花せず気をもんでいた。正月を迎えてようやく咲いたくれることに感謝だ。
去年の今頃挿し木したことは、前回にも書いた。夏には伸びすぎた枝を切って挿し木し、さらに株数を増やしてきた。一斉に開花すれば圧巻の景観になるともくろんでいた。ようやく、計画が実行でき安心している。
初めての挑戦で、一人でひそかにキク祭りだ、と小さな声で言っている。次の年は大声でキク祭りだと言えるように、もっと花色を増やしていきたい。
羽化した草むらから這い出してきたツマグロヒョウモン
ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius
タテハチョウ科
沖縄島,久米島,渡名喜島,粟国島,宮古島,伊良部島,下地島,来間島,多良間島,石垣島,竹富島,小浜島,黒島,西表島,鳩間島,与那国,魚釣島
12月の後半に入り、気温の低い日々が続いている。そんな日々が続く中、日中気温が高いと羽化してくるチョウがいる。ツマグロヒョウモンもその一つで、草むらから羽化して這い出てくる場面に出会った。
もともと、リュウキュウコスミレを幼虫が食べるので、スミレの生育地に数は多い。公園や、路傍、草地に多い理由だ。蛹が草むらにあったに違いない。
羽化して間もない個体は、これから翅を日光にあてて乾かすのだろう。無事に飛び立ってくれることを願っている。
咲きはじめだったエダウチヤガラ、これからが開花の本番だ
エダウチヤガラEulophia graminea
ラン科 小笠原諸島、沖縄島以南の熱帯・亜熱帯に分布
あ、こんなところにエダウチヤガラが咲いている。記念にと思い撮影した。
なんと浦添市を散策していた時のこと、もしかして浦添での開花を見るのは初めてかもしれない。かつて見つけた西原町の生育地はすでに環境の変化でなくなっていた。残念でならない。たしか、花を見たのは12月だった記憶がある。名護の株は7月開花だったので、花の時期は決まってないのかもしれない。
今度見つけた株は花序が4つほどでていて、まだ咲きはじめだった。年が明けてから満開になるはず。再び訪れてみようと思う。
花の蜜を吸いながら太陽の光で体を温めるウスキシロチョウ
ウスキシロチョウ Catopsilia pomona
シロチョウ科 東洋熱帯に広く分布
25日、浦添大公園近くの民家の庭に生えているブーゲンビレアの花にシロチョウ科のウスキシロチョウ♂が蜜を求めてきていた。
その光景は遠くからも見えていて、久しぶりの個体に胸がときめいた。早速カメラを取り出し撮影を始めた。通常、花の蜜に夢中になり警戒しないことが多い。ところが動きがない。どうやら、気温がひくいせいなのか、体を温めていたようだ。
その後5分ほど眺めていたが、飛び立ちはしなかった。
コスモス畑は花がいっぱいできれい、これからが開花の本番だ
コスモス Cosmos bipinnatus
キク科 メキシコ原産
西原町内間御殿の前にコスモスの花畑があり、きれいだった。
コスモスは広い面積に植えるほど、壮観な花畑になる。先はじめなので、これから年を越してからが開花の本番になるはずだ。雨、曇り空、青空や家を入れたり、ミツバチやチョウの訪れる風景など、様々なシーンが撮影できるはず。
コスモスは大好きな花。これからも何度か撮影に行きたい。
オオシマコバンノキの美しい赤実
オオシマコバンノキBreynia officinalis
方言名 ヒザーメー、ヒーザベーベ、ベーベーギー、メンメンギー、
ガラサヌパズギー、マミグワーギー
トウダイグサ科 奄美から沖縄各島々に分布する
昨日、糸数城跡に散策に行ったときのこと。オオシマコバンノキの各枝に美しい赤実が無数についていた。
赤実の大きさは大豆よりやや小さめで球形。規則正しく互い違いについていて、園芸植物のようにも見えた。今までにも実が付いている光景を見てきたが、今回が最もいい感じだった。
樹形はいいし、大木にもならないので、公園や街路の低木にも使えると思う。今からでも観賞用の有用植物の仲間に入れたいほどだった。
イヌビワの葉の上で脱皮前のイシガケチョウの幼虫を見つけた
イシガケチョウCyrestis thyodamas mabella
タテハチョウ科
沖縄島,久米島,宮古島,石垣島,竹富島,黒島,
小浜島,新城島,西表島,鳩間島,波照間島,与那国島;
本州,淡路島,四国,九州,対馬,種子島に分布
今日、中城の森でイヌビワの葉の中央にいる脱皮前のイシガケチョウの幼虫を見つけた。
気温が下がるこの時期、見ることのできるチョウたちの数や種類が減る。そうなると、イシガケチョウをはじめとする気温の低い時期でも見ることのできるチョウたちが目立ってしまうようだ。新芽には卵も2個あった。
野外観察に出るたびに、これからはイシガケチョウが気になってしまう。幼虫はクワ科イチジク属を食べるので、見つかる機会も多い。春先までそんな日々が続く。
さわやかな黄緑色したシロダモの小さな花たち
シロダモNeolitsea sericea
方言名 ファーベルギ、スルミチー、ヤマダックワ
クスノキ科 各島に分布
去年の今頃と同じように浦添大公園に育つシロダモの開花が始まった。
つい先月に果実が色つき、熟した実が地面に落ちていたばかりだ。散策して開花の状態を見ていたら、まだ実が付いているのに、各枝には黄緑色した小さな花が小枝いっぱいついていた。
シロダモの魅力は何と言っても赤茶色の新芽にビロード状の毛がつき、輝くように見えること。年が明けたら目立ち始める。花・実もそうなのだが、関心は新芽にもある。
花の見ごろを迎えた名護城公園のツワブキロード
ツワブキ Farfugium japonicum
方言名 チーパッパー、チパパ、チパパー、チパンプー
英名 Wax-leaf Plant,Japanese plant 中国名 大呉風草
キク科 日本、台湾、沖縄各島々に分布
名護城公園北口の道路沿いに植えられているツワブキの花が、見ごろを迎えている。
12月に入ると、野山のいたるところで黄色の鮮やかなツワブキが咲いていて、ミツバチやチョウが訪れている。数の多い場所では花見場所として、マスコミに紹介され、見学客も多い。名護城公園のツワブキロードもその一つで、満開時期の休日は家族連れでにぎわう。花は人を引き付ける魅力がある。さらにいいことがある。これから伸びてくる新芽の茎はえぐみが少なく、調理しておいしい。独特の風味が食欲をそそる。
ツワブキの花畑を見せて、料理を食することのできる観光農園を想像してしまった。
名護城公園についていたバンシルーの実
バンジロウ(グワバ)Psidium guajava
方言名 バンシルー 中国名 番石榴
英名 guava、apple guava、common guava
フトモモ科 熱帯米原産
今、名護城公園管理事務所近くにバンシルーが十数個の実をつけている。通常、8~9月頃なのに、珍しい。
と、行っても四季なりのバンシルーは存在し、時々見かける。名護のバンシルーの木は以前にも花の時期でないときに咲いていたし、実も確かサクラの花の頃についていた。これはもしかして、優良品種かもと喜んでしまう。
問題は味だ。気温の低い時期のバンシルーはまったく甘味がなかった。ただ、固くて水っぽく、噛み応えだけだった。これが追熟して甘くなるといいのだと思う。
強い北風に乾燥し落ち始めたセンダンの実
センダンMelia azedarach
方言名 シンダンギー
英名 Chinaberry
センダン科 日本、沖縄、韓国、中国に分布
12日に名護城公園に行った時のこと、センダンの実が熟して落ち始めていた。
3月に花は開花し、その後結実。夏にゆっくりと肥大した果実は年が明ける前の12月に熟し、地面に落ち始める。ちょうど寒波の襲来や、北風の強い時期に当たり、熟した果実は水分を奪われ、乾燥し種子が飛ばされていくようだ。
センダンは明るい場所を好む陽樹。木が倒れて明るくなったり、地面が崩れたりしなければ明るくならない。種子の発芽確立はどれくらいなのだろうと、空想した。
真っ白なテリハノイバラの花
テリハノイバラRosa wichuraiana
方言名 サラカチヤー
英名 Memorial Rose
バラ科 日本、沖縄、韓国に分布
住宅街を散策しているときのこと、あっちこっちでバラが咲いている。真っ白のバラを見つけたので近づいたらテリハノイバラだった。
もともとこのバラは沖縄の海岸に野生していて、自然が残る離島などでよく観察される。庭や花壇で栽培している方はあまりいない。よほどの趣味か、生き残りなのかもしれない。
大事にして欲しい。行くとすっかり様子がかわり、全てがなくなっていることがよくある。どうも、目立たない植物たちは撤去される傾向があるようだ。
製糖工場があった場所、トラックにのり検量したことを覚えている。この絵はもっと昔だ。
西原サンエー前の製糖工場歴史オブジェの一つに、古い時代の絵が貼り付けられていて、引き込まれる。
何度も見ているはずなのに、他の製糖に関する解説や道具、その他いろいろを学ぶことができる。野外でこれほど学べることができるのに、この場所にたたずみ見学をしている人を見たことはない。
とにかく、掲載した画像をぜひ見てほしい。引き込まれるのは私一人だけではないと思う。もちろん、他の展示物や解説もいいですよー。
美味しそうに見えますか、種皮に包まれたトベラの種
トベラPittosporum tobira
別名 トベラノキ、トビラギ、オキナワトベラ
方言名 トベラ、トゥベラギ、トバイラー、ウヤヌカザギ
英名 Japannese pittosporum
トベラ科 日本、朝鮮、台湾、南中国、沖縄各島に分布
ウォーキングをしていると、藪の中に真っ赤なものがある。よく見るとトベラの実が割れて真っ赤な種皮に包まれた種が目立っていたのだ。
トベラは春に香りの良い白い花が咲き、夏に果実は少しずつ肥大し、青緑色した丸いビー玉よりやや小さめの果実にまで肥大する。そして、気温下がるこの時期、果実が割れて真っ赤な種皮に包まれた種が現れる。ちょうどこの頃、北から野鳥たちがやってくるので、おいしそうな種は食べられて、種子散布に役立っているかもしれない。ネバネバしているので体について散布しているのではという説もある。
山野でトベラの実が割れて赤い種皮に包まれた種を見て、いろいろと想像するのも楽しい。
ホウライガガミの葉をかじかじするオオゴマダラの幼虫
オオゴマダラIdea leuconoe clara
マダラチョウ科 小宝,奄美,喜界,与論,沖縄,伊是名,古宇利,
伊江,水納,瀬底,伊計,浜比嘉,渡嘉敷,久場,
安室,久米島に分布
寒さの中オオゴマダラの幼虫がホウライカガミの葉を食べていた。手をガチガチしながら観察し、撮影した。
12日、名護城公園はとっても寒かった。蝶は飛んでないし、オオゴマダラもさすがにおとなしくしているのだと思った。もちろん成虫はいない。ところが幼虫の食べるホウライカガミの葉を見ると、いたのだ。いることはいいのだが、動いて葉を食べているのには驚いた。寒さでじっとしていて動かないものだと思っていたからだ。
幼虫の大きさから、順調にいけば暮れ頃蛹になり、年が明けた頃羽化するものだと予想している。正月に飛ぶオオゴマダラを想像した。
純白のエゴノキの花、香りは甘い
エゴノキStyrax japonicus
方言名 シチャマギ
別名 ロクロギ、シマエゴノキ
エゴノキ科 北海道から南西諸島、中国、朝鮮に分布
遠くから甘い香りがした。近づくと地面にたくさんの白い花びらが落ちていた。正体はエゴノキの花。毎年のように見て香りを楽しんでいたが、そういえば去年は巡り合わなかった。
一昨日、名護城公園に行った時のこと。もともと公園にはエゴノキはあるのだが、たくさんの花が咲いている場面を見てないので印象が薄かった。今回見た木はすでに満開を過ぎていて、見事だったことを想像する。
やんばるのエゴノキの花はまだまた咲いているはず、機会があれば見に行きたい。
翅の表の色がとってもきれいなルリタテハ
ルリタテハ Kaniska canace ishima
タテハチョウ科 沖縄各島に分布
今日の午後、とってもきれいなルリタテハが目の前に止まった。
去年あれだけ多かったルリタテハは今年通常の数に戻ったようだ。そのため見つけると、きれいな翅色を見たくなる。そんな思いで、中城の森を散策していたら、路上にとってもきれいなルリタテハが目の前に止まった。羽化したばかりでとっても新鮮だった。
気温の低下で晴れていてもチョウの数が少なくなった。ルリタテハは気温の低い時期でもいるので、見つけると元気がもらえる。その後もう一つきれいな個体が飛んでいた。
花を拡大して見ると、美しいと再認識
リュウキュウコスミレ Viola yedoensis var. pseudo-japonica
方言名 スミレ、スミリ
スミレ科 沖縄各島に分布
浦添大公園の散策路沿いの草地で、青紫色のリュウキュウコスミレが咲きだした。
毎年、公園や路傍、そして荒れ地や草地で咲き始めるのだが、毎年のように群生する箇所が違っているように見える。成句している場所が人の活動が活発な箇所で、すぐに環境が変わる成果もしれない。それでもたくましく、鉢植えやプランター等いろいろな箇所に育つことから、たくましいスミレなのかもしれない。
スミレが咲き始めると、花色や形を探す楽しみが増える。これから、地面を這って花を探す変なおじさんになるのだ。
青実が徐々に紫色に染まってきたオオムラサキシキブ
オオムラサキシキブCallicarpa japonica luxurians
方言名 マチヤガマギ、タマグワーギ、マミガーギ
クマツヅラ科 日本、沖縄に分布
浦添大公園のオオムラサキシキブの実が紫に色づき始めた。
開花は7月で同じ紫色の花、結実し青実が徐々に肥大してきた。難関は夏の台風だ。無事乗り切って、この頃の実の色づきになった。生育場所、株の大きさなどによって他所の差はあるが、たいてい野山での生育地も色づいている。
年が明けて、春の観察会を行う予定だ。その頃にはかなりの実が濃い紫になっているはず。楽しみが増えた。