› 浦添大公園友の会 › 2016年06月
キシモフリクチブトカメムシに攻撃されたカバマダラの幼虫
カバマダラAnosia chrysippus
マダラチョウ科 沖縄島,宮古島,石垣島,竹富島,黒島,
小浜島,新城島,西表島,波照間島,与那国島,北大東島,
南大東島
23日、中城公園の花壇に育つトウワタの葉にいたカバマダラの幼虫がカメムシ科キシモフリクチブトカメムシにやられていた。この前も多くの幼虫が攻撃されていたので、天敵の一つだ。
カバマダラの幼虫は、トウワタが小さかったら地上から全て食べつくすし、大株でも葉を食べつくしたら、茎まで食べてしまう。そのため、食べつくされ過ぎたら、トウワタがなかなか回復してこないときもある。それを防いてくれるのが、このキシモフリクチブトカメムシのようだ。他にもハチが狩り、アリも小さな幼虫を攻撃しているときがあるが、壊滅的ではない。半月前は50数匹、全てがやられた時があった。
カバマダラはチョウの中でも観察しやすい部類に入る。トウワタの種を蒔いて育てていれば、たいていやってきて卵を産み、幼虫、蛹、成虫を見ることができる。さらに、天敵も観察できるので、子供たちの学習には最適と思っている。
花壇に植えられたブルーサルビアに蜜を求めてやってきたモンキチョウ
モンキチョウColias erate
シロチョウ科 沖縄、久米,宮古,石垣,西表,波照間,与那国,北大東,南大東
北海道~九州、中国大陸
中城公園の広い芝生で、元気に飛び回るモンキチョウの季節が今年もやってきた。
春先は数が少ないのだが、マメ科シナガワハギが育つにしたがって、見ることのできる個体数が徐々に増えてきた。梅雨明けから晴天が続き、さらにモンキチョウが目立つようになってきた。でも、幼虫の食べるシナガワハギとはお別れ、頼みの綱のシロツメクサも少なくなってきつつある。去年と同じように、どっかへ放浪の旅に行くのかもしれない。迷蝶という言葉がある。これは日頃生息してない蝶が、迷いこんでくることを意味している。その範疇にはいらないので、虫友が「放浪蝶」という新しい言葉を提唱した。モンキチョウは「放浪」にふさわしいと思っている。
去年は7月30日が最後だった。今年はいつまで、見られるのか、観察することにしよう。
カキバカンコノキの幹に集まり始めたナナホシキンカメムシ
ナナホシキンカメムシ Calliphata nobilis
キンカメムシ科 沖縄、石垣、西表、南大東島、
台湾、東南アジアに分布
中城公園の散策路沿いに育つ高さ7メートル、幹の直径30センチほどのカキバカンコノキの幹に去年に引き続き、ナナホシキンカメムシが集団を形成し始めた。
散策路沿いにはオオバギが数多く生育し、幼虫から成虫までいて、実を吸汁する光景を見ることが出来る。B先生ご夫妻に見せたら、宝石のようだと喜んでくれた。もちろん、触れることはやめてもらった。
幹に集まった集団はまだ小さい。これからが大集団になるのだと思う。毎日見に行くぞ、と輝く宝石の塊を楽しみにしている。
フタオチョウの早朝会議、数えてみてください
フタオチョウPolyura eudamippus weismanni
タテハチョウ科 沖縄
今日の中城公園の朝、散策路を歩いていたら、タブノキの樹冠を飛翔する1頭のフタオチョウを見つけた。目で追いかけて止まった先には、数頭が止まっていた。
撮影した画像を見てビックリ、なんと7頭ものフタオチョウが写っていた。早朝会議だったのかと思った。もちろん、一度にこんなに見たのは初めてだ。
今年はフタオチョウの当たり年なのだろうか。見たよと情報を虫仲間に話をしたら、俺も、私も見たと言ってくる。台風はまだ来ないこの年、フタオチョウどっぷりの夏になりそうだ。
ユウナの花にきたチャバネセセリ
青空に映えるユウナの花
チャバネセセリPelopidas oberthueri
セセリチョウ科 奄美大島,沖縄,伊平屋,伊是名,久米,渡名喜,
宮古,伊良部,下地,池間,大神,来間,石垣,竹富,
小浜,黒,新城,日本、東南アジアに広く分布する
19日、久しぶりに南城市糸数城跡に行ったら黄色いユウナの花にチャバネセセリが来ていた。めったに、見ることのない一瞬の光景だった。
チャバネセセリは蜜を求めて様々な花に訪れる。シロノセンダングサをはじめ、ランタナ、ハイビスカス等季節の咲いている花を利用する。梅雨が明けてから、行く先々でユウナの花がたくさん咲いている。ホウオウボクの開花も素晴らしかったが、ユウナも今年は花が多いように思う。
次はどんなチョウがユウナに来るのか楽しみが増えた。
コブミカンの葉上にいたナガサキアゲハの終令幼虫
同じくナガサキアゲハの若令幼虫
ナガサキアゲハ Papilio memnon thunbergii
アゲハチョウ科
奄美大島,沖縄島,久米島,粟国島,宮古島,石垣島,竹富島,西表島,
波照間島,与那国島、本州,四国,九州,対島,種子島,屋久島に分布
日曜日、友人宅に遊びに行った時にコブミカンを見ていたらナガサキアゲハの幼虫が付いていた。このミカンの木、珍しいので数が少ない。
コブミカンはトムヤムクンの材料の一つ、友人が言うにはこの料理で最も沖縄で栽培が少ないのだと言う。なので、アゲハ類の幼虫が葉を食べていることは知っていたらしく、数本あるうちの1本だけは見逃していたらしい。いるよ、と言ってしまったので、しかたがないが翌日駆除されたと思う。
1匹の小さな幼虫を持ち帰った。もちろんシークワサーで育てるつもりだ。
昨日、沖縄市の友人宅に遊びに行ったらリュウキュウエビネが咲いていた。あまりの美しさに、カが数匹手甲に刺さっているのを気がつかないでいた。
このリュウキュウエビネ、数十年前から栽培していて、出所は覚えてないらしい。とにかく、長く栽培し続けるのは毎年植え替えているとのこと。
また、来年もこの時期に美しいリュウキュウエビネを愛でたいと、友人宅をあとにした。
芝生に1株だけ生えていたシロツメクサで幼虫が見つかった
モンキチョウColias erate
シロチョウ科 沖縄、久米,宮古,石垣,西表,波照間,与那国,北大東,南大東
北海道~九州、中国大陸
中城公園の芝生に生えているシロツメクサでモンキチョウの幼虫を見つけた。
発見は偶然だった。芝生に生えている草を抜いていたら、たまたまシロツメクサが生えていて、幼虫がいたと言うこと。
広い芝生広場に生えているシロツメクサで、幼虫を探すは気力はないが、ポツンと生えているなら、割と楽。それでも梅雨明け宣言してから強い日差しが降り注いでいるので、気は抜けない。涼しい朝夕がいいようだ。
モンキチョウの幼虫が食べる主食草のシナガワハギは、枯れていく。これからの食草はシロツメクサ主体になりそうだ。
後翅は鳥に襲われたのか、切れていた
フタオチョウPolyura eudamippus weismanni
タテハチョウ科 沖縄
梅雨明け宣言2日目、昨日に引き続き、フタオチョウの占有行動の場面にであった。去年に続き、シーズンが始まった。
春先から初夏まで1頭しか目撃できないでいた。今年はまだ台風が来てないので、順調にいけば7月、複数個体で散策路の樹冠を占有する行動が観察できるかもしれない。公園スタッフからも今年こそ、成虫を見せてほしいと懇願されている。
幼虫の食べるクワノハエノキからはまだ幼虫を見つけてない。個体数が増えればチャンスはあるはず。丹念に探してみたいと思う。
作品を手に持ち記念撮影
楽しみながらの講習会だった
使っている材料を知っていたら植物通
壁掛けの作品
今日の午後、中城公園会議室でB先生のフラワーデザイン講習会が行われた。
この講習、Tさんグループの念願の受講で、日本でのフラワーデザインの草分け的存在だったB先生に頼み込んだ。たまたま来沖中だったので実現した。
B先生のデザインのポリシーは野外にある素材を使うこと。草の葉、木の実、枯れ枝、ヤシ枯葉などと、日ごろ気にも留めない、捨ててしまうような材料を使った、いわゆるB先生マジックだ。
来年の再会を約束して、講習会は終了した。思いついた。11月頃にクリスマスリース作り体験講座開催だ。
葉の上で見つかったルリタテハの卵
リタテハ Kaniska canace ishima
タテハチョウ科 沖縄各島に分布
先日、中城公園の散策路に生えているサツマサンキライの葉上にルリタテハの卵が産み付けられたのが見つかった。ほぼ毎日のように通っていた場所なのに初めてなので、嬉しい。
そういえば卵が見つかる前に付近を飛翔するルリタテハを幾度か目撃していたのを思い出した。散策路沿いにはたくさんのサツマサンキライが生えているのに、卵や幼虫はなかなか見つからない。好みの場所があるのかもしれない。
卵が孵化して、葉を食べて蛹になり羽化するまで見守りたいと思っている。
葉裏に止まった雌
ヒメハルゼミ(オキナワヒメハルゼミ)Euterpnosia chibensis okinawana
セミ科 伊平,沖縄,慶良(渡嘉),久米島に分布
今、まさに名護城公園オキナワヒメハルゼミ最盛期だ。セミとは思えない大音量の鳴き声が公園内に響いている。
去年もそうだったのだが、鳴いている雄の撮影をしようと探すと見つからない。高い場所で鳴いているからだ。しばらく歩いているうちに、セミが飛んできて葉裏に止まった。これはチャンスだと思い、撮影したのは雌だった。時間の許す限り、鳴いている雄の射程内を見つけようとたしたがかなわなかった。
名護城公園のオキナワヒメハルゼミの鳴き声を聞きたい方、天上展望台に行けばかなう。クロイワニイニイ、リュウキュウアブラゼミと聞き比べをしてみてください。違いが分かる。
なつかしい面々がそろった
本日、去年に引き続き東南植物楽園に勤務していた方々に呼びかけて、恩師のB先生ご夫妻のThe Banokokaiを開催した。
目玉は、Nさんのグリーンカレー。うまさは本場よりスゴイと評判だ。去年も好評だったので今回もエントリー。そして、今年は珍しい種を使った天ぷらの多数。まずはショクヨウカンナ、揚げたてはカリッとした触感。ニシヨモギ、ゴウシュウタニワタリ、サシグサ、ハイゴショウ、ゴーヤー、オクラ、タイナスなど盛りだくさん。Sさんからはアボカドサラダの差し入れ、さらにさらにUさん夫妻からでっかいキュウリなど、多量の野菜たち。
B先生からのサプライズ、くじ引きによる商品の提供があった。当たった皆さまは、とっても喜んでくれた。これで、The Banokokai来年も開催することになった。
ぱっと見はイジュの花のように見える
小枝に無数の蕾か゛ついていた
ヒサカキサザンカTutcheria virgata
方言名 カーライーク、ミキゾ、フサレイジュ
ツバキ科 沖永部、沖縄、久米、石垣、西表島に分布
9日、名護城公園に行ったら散策路沿いに生育するヒサカキサザンカの花が今年も咲いていた。
去年は台風の被害なのか少なかった。しかし、今年は蕾が多く花数も多い。ヒサカキサザンカは夏咲き。この仲間では少し珍しいのかもしれない。サザンカの名前がついているのか花色は白、少し香りがある。そのため、セセリチョウ科アオバセセリをはじめ、様々な昆虫たちが蜜や花粉を求めてやってくる。こうした観察もわくわくする。
小枝に蕾が無数についていた。開花はこれからも続きそうだ。
翅を開いたらとっても美しいコノハチョウ
翅を閉じたら見失しまいがち
葉の上に止まると枯葉模様の翅は少し目立つ
コノハチョウKallima inachus eucerca
タテハチョウ科 沖永部島,徳之島、沖縄島,古宇利,石垣島,小浜島,西表島
これから真夏に向けて、やんばるではコノハチョウの個体が多くなる時期。なんと名護城公園ビジターセンターすぐそばの木にコノハチョウが止まって翅を開閉している場面に出会った。やったー。
去年も確かこの時期だったかもしれない。羽化したての美しい個体だった。翅表の神秘的な紺碧色と鮮やかなオレンジ色が素晴らしい。何時間たっても、光景が目に焼き付いて離れない。
これから本部半島一帯、やんばるの林道沿いでは普通に見ることができるはず。パインの発酵、その他果実の発酵、樹木の樹液が大好きだ。これからの夏、今度は果実に口吻を伸ばす場面を撮影したい。
リュウキュウアサギマダラ Ideopsis similis
マダラチョウ科
奄美大島,沖縄島,伊良部島,下地島,池間島,大神島,多良間,石垣島,竹富島,小浜島,黒島,新城島,西表島,鳩間島,波照間島,与那国島,南大東、北大東島に分布
最近、中城公園の散策路にリュウキュウアサギマダラが毎日のように見かけるようになって、その泊まり方が気になっている。
通常だと翅をたたんで閉じて止まることが多い。ところが、数日見ているのは葉の上に、だらっと止まることだ。日光浴なのではと思ったのだが。気温は高めなので必要ないものと思っている。シロオビアゲハやナガサキアゲハも同じように止まるのと一緒なのかもしれない。
リュウキュウアサギマダラでチョウの止まり方が気になりはじめた、数日だ。
イネが順調に育つせせらぎ水田
名護城公園せせらぎ水田のイネが順調に育っている。
毎年4月に田植えし7月に刈り取る。2期作目は8月に田植え、11月に刈り取りをしている。イネの生育の様子を観察するのも楽しいが、水田にすむ生物たちの観察を勧めたい。たんぼの周りは各種のトンボ類が飛び、イネにはカメムシ、バッタがいてクモ類も多い。田にはコナギをはじめとする植物たちも生えている。
農薬を使ってないので、生物たちの楽園のようにも見える。機会があれば一度、覗いてみてください。
花はとってもかわいらしい、何度見ても飽きないなー
エダウチヤガラEulophia graminea
ラン科 小笠原諸島、沖縄島以南の熱帯・亜熱帯に分布
6月4日、名護市で咲いていたエダウチヤガラの開花はすごかった。
バルブが充実しているので、十分な花茎を伸ばし豊富な花序になるのだろうと予想する。数年に一度の開花と見てよい。
観察会に参加してもらった方々は、とてもラッキーだったに違いない。いきなりの大物、といった感じだった。もちろ、全員、食いついて離れなかったのは無理もない。
ほんとうは、花好きなみんな紹介したいのだが、かんたんに採取する方がいるのが問題。自生する場所で、観賞するのが一番なのだ。
赤色の花
オレンジ色の花
どっか外国の雰囲気だ
バス亭のそばに咲いているのもいい
上から咲いている風景もいい
ホウオウボク Delonix regia
英名 Royal peacock
マメ科 マダガスカル原産
那覇市パレット茂地前のホウオウボクの花がものすごくきれいだった。
ネットで見る限り、今年はホウオウボクの開花の当たり年。ここ十数年で一番かもしれない。理由は葉を食害するホウオウボククチバの害が少なかったこと。去年の台風被害が少なかったこと。この2点が開花に大きく左右している。沖縄中のホウオウボクの開花に、観光客だけでなく県民も喜んでいるに違いない。
梅雨真っ盛りなのに雨が降らない。4・5月に降りすぎたのかもしれない。このまま盛夏に突入かな。大好きなホウオウボクの花、もっと長く咲いてほしいと願っている。